Zipan導入事例
アールエヌティーホテルズ株式会社様
「言語」を活躍の壁にしない。外国籍社員が誇りを持って働ける組織づくりへ―「ビジネス日本語力」を支援

全国に「リッチモンドホテル」「THE BASEMENT」を展開するアールエヌティーホテルズ株式会社。インバウンド需要の拡大とグローバル人材の育成という経営方針のもと、外国籍社員の採用を積極的に進めてきました。日本語能力試験(JLPT)の取得者をはじめ、一定の日本語力を持つ人材が入社する一方、現場では「お客様一人ひとりに合わせた柔軟な言葉遣い」や、24時間365日・3シフト制で運営するホテルならではの「引き継ぎ・報連相」といった、資格だけでは測れないビジネス日本語の難しさが見えてきました。「もっと活躍してほしい」という会社の期待と、社員自身の「日本語力を上げたい」という意欲。その両方に応えるための取り組みとして、Zipanの導入に至りました。
アールエヌティーホテルズ株式会社
企画開発部 営業企画課 坂間 彩香様
導入の背景
「採用」の先の「活躍」を支えるために
―導入のきっかけや背景について教えてください。
コロナ明け、特に2023年頃から、社内で外国籍社員の採用を積極的に進めていこうという気運が高まりました。インバウンド需要の拡大に伴い「グローバル人材を育成したい」という経営方針が重なった形です。
基本的な日本語力を持っている方が入社しますが、実際の現場では、お客様に合わせた丁寧な言葉遣いや、24時間・3シフト制で運営するホテルならではの社内での引き継ぎ・報連相など、資格だけでは測りきれない難しさが見えてきました。その点をどう支えるかという仕組みづくりは、これからという段階でした。
―積極的に採用を進める中で、次のステップとして「活躍の支援」に目を向けられたのですね。
優秀な人材にたくさん入社してもらえたからこそ、次は一人ひとりが持っている力を存分に発揮できる環境を整えたいと考えました。
社内のやりとりでも、お客様対応でも、安心して力を発揮してほしい。そうした支配人たちの期待もあり、また社員自身の「将来的に支配人を目指したい」というキャリアへの思いも後押しになりました。
日本語でのコミュニケーションがよりスムーズになれば、周囲との連携もお客様対応も変わり、活躍の幅は自然と広がっていきます。その第一歩として、「ビジネス日本語」の学習支援に着目しました。
選定プロセス
一人ひとりに合う学びと、伴走してくれる安心感
―数あるサービスの中で、Zipanを選ばれた決め手を教えてください。
社員は全国の店舗に配属されており、日本語のレベルも得意な場面もそれぞれ異なります。だからこそ、その一人ひとりに価値のある学びにしたい。そう考えたときに、大事にしたい点が3つありました。
1つ目は「1対1」で受けられること。マンツーマンなら、個人のレベルや課題に合わせて、実際の会話の中で弱点をその場で練習できるためです。
2つ目は、シフト勤務で空き時間がバラバラでも、全国に配属された社員がそれぞれのペースで柔軟に受講を進められること。
3つ目は、「今の自分に必要だ」と思うレッスンを選べること。日々の業務に直結した内容を選べれば、学びがそのまま現場で生かせると考えました。
これらの要件が揃っていたことや、導入前から弊社の課題や目的に沿って丁寧にご説明いただき「採用後の活躍まで一緒に伴走してもらえそうだ」という安心感を持てたため、Zipanの導入を決めました。
活用方法
現場を巻き込み、全国各地での受講を支える運用
―現在、どのような形でZipanを活用されていますか。
現在はフロント業務などを主に対応する宿泊部門を中心に、20名ほどが受講中です。受講は毎月5回レッスンを基本に、それぞれのペースで続けてもらっています。
会社の方針として「一定の水準まで全体を引き上げたい」という思いがあるので、日本語のスピーキングテストを受けてもらい、一人ひとりの現状を把握したうえで、支援が必要な方を中心に受講につなげています。
―受講状況の管理は、どのように工夫されていますか。
総支配人やマネジメント層に研修の目的を共有し、現場でも同じ熱量で受講を支えてもらえるよう、常に働きかけています。
月2回の受講レポートで進み具合を把握し、気になる店舗へ個別に連絡を入れるほか、現場を訪問する際には受講者へ直接ヒアリングを行っています。レポートを眺めるだけで終わらせず、こまめにコミュニケーションを取り、寄り添うことを意識しています。忙しい業務の中で時間を確保してくれる本人と、それを支える現場の協力には、いつも本当に感謝しています。
導入の成果
社内コミュニケーション・エンゲージメントの変化
―導入後、どのような変化がありましたか。
年2回の効果測定を行っており、導入前と比べて、コミュニケーションの多い宿泊部門を中心に着実にレベルが上がっていることが数値として確認できております。
日々の業務においても、最初は壁を感じていた業務も一つずつ習得し、チェックインやチェックアウト、電話対応ができるようになるなど、レッスンの成果が接客の場面にも表れてきています。
ただ、何より大きいのは意識の変化です。「日本語を学ぶ必要性」を本人が実感し、会社の支援を活かして自分から成長を目指す前向きな姿勢が芽生えており、エンゲージメント向上にもつながっていると感じます。
昨年(2025年)は、毎年恒例で行っている全店舗から代表スタッフが集まるプロジェクトに外国籍社員が複数名選ばれ、一年間しっかりと役割をやり遂げてくれました。自分たちも会社に貢献できるという自信につながり、社内コミュニケーションにも良い変化が出ています。
―日本人社員との合同で異文化理解セミナーも実施されたとのことですが、そちらについても教えてください。
外国籍社員が増える中で、言葉の壁とは別に、文化や価値観の違いから生まれるコミュニケーションの齟齬にも課題があるのではないかと感じていました。実際、全従業員を対象にしたアンケートにおいても「異文化理解」への関心が非常に高いことがわかり実施を決めました。
ポイントは、外国籍社員と日本人社員が合同で同じ研修に参加できたことです。たとえば時間の感覚や暗黙の了解など、合同で学んだことでお互いの「当たり前」の違いに気づき、自然と歩み寄れるようになりました。
参加者の周囲からも前向きな変化を感じる声が多く、受講していない社員からの関心も高まっているため、次回の開催もすでに計画中です。
―最後に、今後どのような組織を目指していきたいですか。
社員一人ひとりに、自信を持って楽しく働いてほしい。言語やコミュニケーションが原因で働きづらさを感じることなく、誰もが楽しさややりがいを持って働ける環境をつくっていきたいと思っています。
そのためにも、まずは全体の日本語力を一定の水準まで高め、誰もが言語の不安なく力を発揮できる土台を整えたいです。そのうえで、さらに上を目指す人には、一人ひとりに合わせた支援も広げていきたいと考えています。
語学力はすぐに身につくものではないので、皆で同じ目的意識を持ち、長い目で取り組んでいく必要があると思っています。学習の習慣を根づかせ、誰もが誇りを持って長く活躍できる組織にしていきたいです。
―本日は貴重なお時間をありがとうございました。今後のご活躍をお祈り申し上げます。
社員様の声
ファンティ ゴク マイ様

―自己紹介をお願いいたします。
私はベトナム出身で、日本に来て約10年になります。日本語学校と専門学校で学んだあと、静岡の旅館を経て、現在はリッチモンドホテル浅草のフロントスタッフとして1年半ほど働いています。直近ではフロントチーフ(時間帯の責任者)の認定に向けたトレーニングも始めたところで、日本語でのコミュニケーション力はもっと高めていきたいと思っています。
―働く中で、コミュニケーション面において難しいと感じることはありますか。
日常の会話にはだいぶ慣れましたが、仕事で求められる日本語は、まだ難しいと感じることがあります。たとえば敬語は、自分では正しく使っているつもりでも二重敬語になっていることがあり、Zipanのレッスンで先生に指摘されて初めて気づくことがありました。
電話対応も、難しい場面のひとつです。表情が見えないからこそ、言葉そのものだけでなく、声のトーンや微妙なニュアンスから相手の意図を正確にくみ取ることが求められます。「チェックアウトは11時ですよね…」とだけおっしゃるお客様もいて、延長のご相談なのか、ただ確認したいだけなのか、判断に迷うこともあります。こうした場面は、慣れるまで戸惑いました。

―Zipanでの学びが、実際の業務でどのように活きていますか。
Zipanでの学びは、そのまま仕事に活かせるシーンが多いです。たとえば上司へ報告する際、何を・どの順番で伝えるのが良いのか分かりませんでしたが、レッスンで報連相の「結論から伝える」という基本を学び、すぐに現場で実践することができました。

先ほどお話しした電話対応も、確認すべきことを学んでからは、メモを取りながら落ち着いて対応できています。1年近く継続してきたことで、ベースの日本語力の上達はもちろんのこと、お客様や他のスタッフに対しても、以前より余裕を持ってコミュニケーションがとれるようになったと実感しています。
―今後の目標を教えてください。
この会社でキャリアアップしていくことです。日本でこれからも長く働いていきたいですし、生活の基盤を整えて、ベトナムにいる家族に親孝行もしたいです。今はフロントチーフを目指しており、最終的には支配人になることが目標です。道のりはとても長いですが、一歩ずつ近づいていければと考えています。
入社したときから「キャリアアップしたい」という想いを会社も応援してくれていて、とても心強いです。これからもZipanを活用して、ビジネスシーンでの日本語力を伸ばしながら、お客様にも仲間にも頼られる存在になっていきたいです。








